クリエイションギャラリー G8 でおこなわれた「光るグラフィック展」への出店作品。
Adobe Illustrator などでグラフィック作品をつくる時、 A4、 A5 といった出力するサイズをまずはじめに決定するプロセスがあります。一方で、ウェブのようなメディアでは、閲覧者の端末のサイズがさまざまであるため、出力するサイズは、ユーザによって最後の最後に決定されます。この固定することに対する感覚の違いは大きく、わたしとっては非常に興味深いものです。本作では、こういった「サイズちがう環境で、変化するもの・しないもの」をテーマに制作しました。
39 日間でピクセルが画面を満たすシンプルなアルゴリズムを用意し、画面を大小いくつかの領域が区切ったうえ、実行させます。するとルールに従って、それぞれのインスタンス(領域)が各自ペースを作りながら領域を満たすように動作をはじめます。面積の大きいものと小さいもので、早く動くものと遅く動くものと、速度・リズムの違いがあらわれます。それら全てはちがいますが、同じ目的を満たすための異なるバージョンであって、どれも同じともいえます。
“レスポンシブデザイン” が代表するようにウェブメディアなどのオンスクリーンの表現では、サイズ・比率などによって変化する部分とそうではない部分をトポロジカルに捉える曖昧さを許容する感覚が必要です。光るグラフィック展ではこの感覚に焦点を当てた作品を制作しました。